キャッシュレス決済(Airペイ・Squareなど)の売上と決済手数料の仕訳|売上の計上時期は決済日?入金日?

「お客さんがカードで払ったのは12月28日なのに、口座に入金されたのは1月10日。この売上はどっちの年?」「入金額から手数料が引かれているけど、どう仕訳すればいい?」——Airペイ(エアペイ)やSquare(スクエア)などのキャッシュレス決済を導入している個人事業主・小さなお店の方から、よく聞かれる質問です。

結論から言うと、売上は「入金日」ではなく「決済日(商品を渡したり、サービスを提供したりした日)」に計上します。決済日にいったん「売掛金」として計上し、入金日に手数料を差し引いた金額で売掛金を消し込むのが基本の流れです。また、売上は手数料を差し引く前の総額で計上する点も重要です。この記事では、具体的な仕訳例と、決済手数料の消費税の扱い、年末の注意点までわかりやすく解説します。

なお、税法は税制改正などによって変わることがあります。本記事は執筆時点の情報をもとにしていますので、実際に経費計上する際は、その時点の最新情報を国税庁のWebサイトなどで確認するようにしてください。

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

キャッシュレス決済の売上は「決済日」に計上する

個人事業主・法人ともに、売上は原則として「発生主義」で計上します。発生主義とは、商品の引き渡しやサービスの提供が完了した時点で売上を計上する考え方です。お金が口座に入ってきた日(入金日)ではありません。

キャッシュレス決済の場合、お客さんが決済した日に商品やサービスを提供しているのが一般的なので、決済日=売上を計上する日になります。

日付 出来事 会計上の扱い
決済日 お客さんがカードやQRコードで支払い、商品を渡した 売上を計上(代金はまだ決済会社から受け取っていないので「売掛金」)
入金日 決済会社から、手数料を差し引いた金額が振り込まれた 売掛金を消し込み、手数料を経費に計上

基本の仕訳例

例:お客さんがクレジットカードで10,000円の商品を購入。決済手数料3.24%(324円)を差し引いた9,676円が後日入金された(手数料は消費税が非課税の場合)

決済日の仕訳

借方 金額 貸方 金額
売掛金(Airペイ/Square など) 10,000円 売上高 10,000円

入金日の仕訳

借方 金額 貸方 金額
普通預金 9,676円 売掛金(Airペイ/Square など) 10,000円
支払手数料 324円

※手数料率は説明のための例です。実際の手数料率は、決済サービスや決済手段(カードブランド・電子マネー・QRコード決済など)によって異なります。

売掛金には、「Airペイ」「Square」など決済サービスごとに補助科目をつけておくと、どのサービスからいくら入金待ちなのかがひと目でわかり、入金の確認もしやすくなります。

売上は「手数料を引く前の総額」で計上する

よくある間違いが、入金額(9,676円)をそのまま売上にしてしまうことです。売上は、お客さんが支払った10,000円の総額で計上し、手数料は「支払手数料」として別に経費に計上します。手数料を差し引いた純額で売上を計上すると、売上が実際より少なく見えるだけでなく、消費税の課税売上高の計算にも影響します。

毎日の売上は日次でまとめて記帳してもOK

1件ごとに仕訳するのは大変なので、決済サービスの管理画面やレジの日報で1日の合計を確認し、日ごとにまとめて記帳する方法が一般的です。現金売上とキャッシュレス売上を分けておくと、後の確認がスムーズです。

決済手数料の消費税は「課税・非課税・不課税」を確認する

消費税の課税事業者にとって注意が必要なのが、決済手数料の消費税の区分です。決済手数料は、決済サービスや決済手段、契約内容によって、課税・非課税・不課税が異なります。

区分 例 仕入税額控除
非課税 クレジットカード決済の手数料(売上債権を決済会社に譲渡する形の場合など) 対象外
課税 電子マネーやQRコード決済の手数料など(サービスによる) 対象(インボイスの保存が必要)
不課税 サービスによっては、決済手段にかかわらず不課税と案内している場合あり 対象外

たとえば、Squareは決済手段にかかわらず決済手数料を不課税と案内しています。Airペイでは、クレジットカードなどは非課税、交通系電子マネーやQRコード決済は課税というように、同じサービスの中でも決済手段ごとに区分が分かれていると案内されています。区分は変更される可能性もあるため、各社の最新の案内や、毎月の手数料の明細・請求書で確認しましょう。

課税の手数料の場合の仕訳例(税抜経理)

例:QRコード決済で10,000円の売上。課税の手数料330円(税込)を差し引いて9,670円が入金された

借方 金額 貸方 金額
普通預金 9,670円 売掛金 10,000円
支払手数料 300円
仮払消費税 30円

課税の手数料について仕入税額控除を受けるには、決済会社が発行するインボイス(手数料の請求書や利用明細)を保存しておく必要があります。管理画面からダウンロードできる場合が多いので、電子データのまま保存しましょう(電子帳簿保存法)。

年末をまたぐ売上は要注意

決済日と入金日がずれると、年末(法人は決算期末)をまたぐ売上の扱いを間違えやすくなります。

例:12月28日にキャッシュレス決済で50,000円の売上があり、手数料を差し引いた金額が翌年1月10日に入金された

  • 売上は12月28日の日付で、今年の売上として計上する
  • 12月31日時点では入金されていないので、50,000円が売掛金として残る
  • 1月10日の入金時に売掛金を消し込み、手数料を計上する

「1月に入金されたから来年の売上」として処理すると、今年の売上の計上漏れになり、税務調査で指摘される原因になります。決算のときは、12月中の決済分で、まだ入金されていない金額を決済サービスの管理画面で確認し、売掛金の残高と一致しているか確かめましょう。

手数料も今年の経費にできる

年末の決済分の手数料は、入金が翌年でも、売上と同じく今年の経費として計上するのが適切です。決済日に手数料も合わせて計上する方法をとっておけば、年をまたいでも処理がずれません。

返品・キャンセル・入金サイクルの注意点

  • 返品・キャンセル:決済を取り消した場合は、売上を取り消す(または売上の値引き・返品として処理する)仕訳をします。手数料が戻るかどうかはサービスや取り消しのタイミングによって異なるため、明細で確認しましょう。
  • 入金サイクル:入金のタイミングは、決済サービスや振込先の銀行によって異なります(翌営業日入金、月数回の入金など)。どの期間の売上がいつ入金されるのかを把握しておくと、売掛金の消し込みがスムーズです。
  • 振込手数料:入金時に振込手数料が差し引かれるサービスもあります。その場合は、決済手数料とは別に支払手数料として計上します。

入金日に売上を計上できるケース(現金主義)

例外として、青色申告をしている小規模な個人事業主は、一定の要件(前々年の所得が300万円以下など)を満たし、事前に届出をすれば、入金や支払いのタイミングで売上・経費を計上する「現金主義」を選べる特例があります。ただし、この特例を選ぶと青色申告特別控除が最大10万円になるなどの制限があります。多くの事業者は、原則どおり決済日(発生主義)で計上することになります。

毎月の確認:入金明細と売掛金を照らし合わせる

月末や入金があるたびに、次の点を確認する習慣をつけましょう。

  1. 決済サービスの売上レポート(決済日ごとの売上合計)と、帳簿の売上が一致しているか
  2. 決済サービスの入金明細(入金額・手数料・対象期間)と、通帳の入金額が一致しているか
  3. 帳簿の売掛金の残高が、まだ入金されていない決済の合計と一致しているか

ずれがある場合は、記帳漏れ、手数料の計上漏れ、返品・キャンセルの処理漏れなどが考えられます。

キャッシュレス売上の記帳をラクにするなら

キャッシュレス決済の売上と手数料を毎日手作業で記帳し、売掛金を消し込むのは手間がかかります。クラウド会計ソフトには、決済サービスや銀行口座と連携して、売上や入金の明細を自動で取り込めるものがあり、売掛金の消し込みや手数料の仕訳もスムーズに行えます。

代表的なサービスとして「マネーフォワード クラウド」と「freee会計」があります。無料で試せるプランが用意されていることも多いので、実際の画面を触って使いやすいほうを選ぶのがおすすめです。

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会計・請求書・経費精算などのサービスをまとめて提供しており、複数の業務を一つのシリーズで管理したい方に向いています。

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※対応機能や料金プランは変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

まとめ

  • キャッシュレス決済の売上は、入金日ではなく決済日に計上する(発生主義)
  • 決済日に「売掛金/売上高」、入金日に「普通預金・支払手数料/売掛金」で処理する
  • 売上は手数料を差し引く前の総額で計上し、手数料は支払手数料として別に計上する
  • 決済手数料の消費税は、サービス・決済手段によって課税・非課税・不課税が異なる。課税ならインボイスの保存が必要
  • 12月の決済で1月入金の売上は、今年の売上。年末時点の未入金分は売掛金として残す
  • 毎月、売上レポート・入金明細・売掛金残高を照らし合わせる
  • 税法は改正されることがあるため、記帳の時点で最新のルールを確認する

判断に迷う場合は、税理士に相談するのが安心です。

※本記事は2026年11月時点の税法・各サービスの案内をもとに作成しています。決済手数料の税区分や入金サイクルは、各決済サービスの最新の案内でご確認ください。税法は税制改正などにより変わることがあるため、実際に記帳する際は国税庁のWebサイトなどで最新の情報を確認し、個別の判断については税理士等の専門家にご確認ください。