Google AdSenseなど海外プラットフォームからの収入の申告|消費税の扱いと円換算のタイミング
ブログのGoogle AdSense(アドセンス)や、海外のアフィリエイト・電子書籍・デジタル販売のプラットフォームから収入を得ている方は、「ドル建ての収入はいつのレートで円に換算するの?」「海外の会社から受け取ったお金に消費税はかかるの?」と迷うことが多いと思います。
結論からいうと、外貨建ての収入は収入を計上する日の為替レート(原則TTM)で円に換算します。また、アドセンスのような海外法人からのインターネット広告の収入は、消費税の国外取引(不課税)となり、消費税はかかりません。
この記事では、海外プラットフォームからの収入の所得区分、円換算のルールとタイミング、消費税の扱いをわかりやすく解説します。
なお、税法の取扱いは改正されることがあります。本記事は執筆時点の情報をもとにしていますので、実際に申告する際は、国税庁などの最新情報を確認するようにしてください。
※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
海外プラットフォームからの収入は何所得?
アドセンスなどの広告収入、海外のアフィリエイト報酬、電子書籍の印税、デジタルコンテンツの販売収入などは、いずれも原則として事業所得または雑所得です。支払元が海外の会社でも、日本の居住者であれば日本で確定申告をします。
- 帳簿を作成・保存して継続的に活動している場合は、原則として事業所得
- 収入が年300万円以下で帳簿がない場合は、原則として業務に係る雑所得
- 会社員の副業なら、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要(20万円以下でも住民税の申告は必要)
詳しくは「副業は事業所得?雑所得?」の記事で解説しています。YouTubeの広告収入については「YouTubeや配信の収入の確定申告」もあわせてご覧ください。
外貨建ての収入の円換算のルール
原則:収入を計上する日のTTM
外貨建ての取引は、取引を計上する日の電信売買相場の仲値(TTM)で円に換算するのが原則です。TTMは、銀行が公表する、外貨を円に替えるとき(TTB)と円を外貨に替えるとき(TTS)の中間のレートです。
不動産所得・事業所得・山林所得・雑所得の計算では、継続して適用することを条件に、次の方法も認められています。
- 収入はTTB、経費はTTSで換算する
- 取引日の前月末日や当月初日のTTMなど、一定の合理的なレートを使う
- 前月や前週の平均レートを使う
毎回の取引日のレートを調べるのは手間なので、「毎月の収入は、その月末のTTMで換算する」など、自分のルールを決めて毎年同じ方法で処理するのがおすすめです。為替レートは、取引銀行や三菱UFJ銀行などが公表しているTTMの一覧を使うと便利です。
「いつ」の収入にするか
収入を計上する日は、原則として報酬の金額が確定した日です。アドセンスなどでは、月ごとの収益がプラットフォーム上で確定し、翌月以降に支払われるのが一般的です。12月分の収益が翌年1月に入金される場合も、12月分の収入として、その年の申告に含めます。
なお、日本のアドセンスアカウントでは、収益が円で表示・支払われることが多く、その場合は明細の円建ての金額をそのまま使えます。ドル建てで支払われるプラットフォームや、PayPal・海外送金サービスでドルのまま受け取る場合に、円換算が必要になります。
入金時の差額は「為替差損益」
収入を計上した日と、実際に円で入金された日のレートが違えば、その差額は為替差損益になります。
例:3月分の報酬1,000ドルが3月31日に確定(TTM 150円)、4月21日に円で入金(148円で換算)
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 3月31日(確定時) | 売掛金 | 150,000 | 売上高 | 150,000 |
| 4月21日(入金時) | 普通預金 為替差損 |
148,000 2,000 |
売掛金 | 150,000 |
雑所得として申告する場合も、考え方は同じです。入金時の換算レートは、銀行やサービスの明細に記載された実際の受取額を使います。
ドルのまま持っておく場合
受け取ったドルをそのまま外貨預金や送金サービスの口座に置いておき、後で円に替えた場合も、そのときの為替差益は課税の対象になります。ドルで海外のサービス代を支払った場合なども含め、ドル口座の入出金の記録を残しておくと、後から計算しやすくなります。外貨のまま持つ場合の為替差損益の扱いは複雑になりやすいため、金額が大きい場合は税理士に確認しましょう。
消費税の扱い:国外取引(不課税)になることが多い
アドセンスの広告収入は「不課税」
インターネットを通じた広告の配信・掲載は、消費税の「電気通信利用役務の提供」にあたります。電気通信利用役務の提供は、サービスを受ける側の所在地で国内取引か国外取引かを判定します。
日本の居住者のアドセンスの契約先は、一般にシンガポールのGoogle Asia Pacific Pte. Ltd.とされています。広告の掲載サービスを受ける側が国外の法人なので、国外取引(不課税)となり、消費税はかかりません。契約先は変更されることがあるため、AdSenseの管理画面の「規約」などで、ご自身の契約先を確認しておきましょう。
不課税の売上は「1,000万円」の判定に含まれない
不課税(国外取引)の売上は、消費税の課税売上高には含まれません。そのため、アドセンスなど海外法人からの広告収入だけであれば、金額が大きくても、それだけで消費税の課税事業者になることはありません。
以前は、こうした取引を「輸出免税」として、課税売上高に含める扱いでしたが、2015年10月の改正で、電気通信利用役務の提供は不課税として扱われるようになっています。古い解説記事を参考にする場合は注意しましょう。課税事業者の判定方法は「消費税の課税事業者の判定」の記事をご覧ください。
国内の会社からの収入は「課税」
| 収入の例 | 相手 | 消費税 | 課税売上高(1,000万円の判定) |
|---|---|---|---|
| Google AdSense(日本の居住者) | 国外法人 | 不課税 | 含まれない |
| 国内のASP(A8.netなど)のアフィリエイト報酬 | 国内法人 | 課税(10%) | 含まれる |
| 国内企業からのPR記事の原稿料 | 国内法人 | 課税(10%) | 含まれる |
| 海外のアフィリエイト・広告プログラム | 国外法人 | 電気通信利用役務の提供なら不課税 | 含まれない |
| 電子書籍の印税など、著作物の利用料 | 国外法人 | 取引の内容によって輸出免税になる場合がある | 輸出免税なら含まれる |
国内ASPの報酬や国内企業からの案件が増えて課税売上高が1,000万円を超えると、2年後から消費税の課税事業者になります。海外の収入と国内の収入を分けて集計しておくと、判定がしやすくなります。
インボイス登録は必要?
アドセンスなど不課税の取引では、相手にインボイス(適格請求書)を交付する必要はありません。インボイス登録を検討するのは、主に国内の企業から報酬を受け取る場合です。詳しくは「インボイス制度の基本」の記事で解説しています。
米国の源泉徴収にも注意
アドセンスやYouTube、電子書籍など、米国の視聴者・購入者からの収益がある場合は、米国の税務情報(W-8BENなど)の提出が必要になることがあります。提出しないと、本来より多くの米国の税金が差し引かれるおそれがあります。詳しくは「YouTubeや配信の収入の確定申告」の「米国の税務情報の提出を忘れずに」をご覧ください。
経費にできるもの
- サーバー代、ドメイン代、有料テーマ・プラグイン
- PayPalや海外送金サービスの手数料、銀行の被仕向送金手数料
- 記事作成のための書籍・取材費、外注費
- パソコン・通信費(私用と兼用なら按分)
海外のサービスにドルで支払った費用も、原則として支払った日(費用を計上する日)のレートで円に換算します。按分の考え方は「個人事業主の家事按分」の記事をご覧ください。
チェックリスト:海外プラットフォームの収入を申告する前に
- 収入は事業所得・雑所得のどちらで申告するか
- 収益の明細(月別の確定額)をダウンロードして保存しているか
- 外貨建ての収入の換算方法(TTM・月末レートなど)を決め、毎年同じ方法で処理しているか
- 12月分の収益(翌年入金)も今年の収入に含めたか
- 入金時の為替差損益を計算したか
- 海外(不課税)の収入と、国内(課税)の収入を分けて集計しているか
- AdSenseの契約先と、米国の税務情報の提出状況を確認したか
外貨建ての収入の記帳をラクにするなら
外貨建ての収入は、確定時と入金時の2回の換算が必要になり、手作業だと手間がかかります。会計ソフトを使えば、銀行口座や決済サービスの明細を取り込み、外貨建ての取引や消費税の区分(課税・不課税)も管理しやすくなります。
代表的なサービスとして「マネーフォワード クラウド」と「freee会計」があります。無料で試せるプランが用意されていることも多いので、実際の画面を触って使いやすいほうを選ぶのがおすすめです。
マネーフォワード クラウド
会計・確定申告・請求書などのサービスをまとめて提供しており、複数の業務を一つのシリーズで管理したい方に向いています。
freee会計
簿記の知識が少なくても使いやすい画面づくりが特徴で、経理初心者や個人事業主・小規模な会社に向いているクラウド会計ソフトです。
やよいの青色申告オンライン
弥生が提供する青色申告向けのクラウドソフトで、個人事業主が青色申告の帳簿づけから決算書・申告書の作成までをまとめて進めたい場合に向いています。
※対応機能や料金プランは変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
確定申告の書き方を本で確認したい方へ
ブログやアフィリエイトの収入を事業所得や雑所得として申告する場合、収支内訳書や青色申告決算書、確定申告書の書き方に迷いがちです。記入例を見ながら進めたい方は、確定申告の解説書を一冊手元に置いておくと安心です。
※書籍は税制改正にあわせて毎年改訂されます。購入の際は最新年度版かどうかをご確認ください。
※Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。
まとめ
- 海外プラットフォームからの収入も、日本の居住者なら日本で確定申告する(事業所得または雑所得)
- 外貨建ての収入は、収入を計上する日のTTMで円換算するのが原則。継続適用を条件に、月末レートなども使える
- 入金時のレートとの差額は為替差損益
- アドセンスなど海外法人からのインターネット広告の収入は、国外取引(不課税)で、課税売上高(1,000万円の判定)にも含まれない
- 国内ASPや国内企業からの報酬は課税。海外と国内の収入を分けて集計する
- 税法の取扱いは改正されることがあるため、最新の情報を確認する
海外プラットフォームの収入は、円換算と消費税の区分さえ押さえれば、国内の収入と同じように申告できます。換算のルールを決めて、毎月の明細を保存しておきましょう。判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談しましょう。
※本記事は2026年11月時点の税法の情報をもとに作成しています。税法の取扱いは改正されることがあるため、実際に申告する際は国税庁などの最新情報を確認し、個別の判断については税理士等の専門家にご確認ください。

