法人カードは何で選ぶ?ひとり社長が見るべき3つのポイントと経理がラクになる使い方

「法人カードって本当に必要?」「種類が多すぎて選べない」――そんな声をよく聞きます。

結論から言うと、ひとり社長こそ法人カードを1枚持つべきです。選ぶときは「年会費」「会計ソフト連携」「審査の通りやすさ」の3つを見て、経費の支払いはすべてその1枚に集めましょう。立替精算がなくなり、経理の手間が大きく減ります。

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法人カードがあると「立替精算」がなくなる

結論:法人カードの最大のメリットは、経費の支払いが会社のお金で完結し、社長個人との精算作業がなくなることです。

個人のカードで経費を払うと、毎月「立替経費精算書」を作り、会社から社長へ振り込む作業が必要になります(1日目の記事を参照)。法人カードなら、引き落としは会社の口座から行われるため、この作業が丸ごと不要です。

項目 個人カードで払う場合 法人カードで払う場合
仕訳 経費の計上+未払金の精算(2回) 経費の計上(1回)
精算書の作成 毎月必要 不要
会社から社長への振込 毎月必要 不要
私用との混同 起きやすい 起きにくい

選ぶときに見るべき3つのポイント

結論:ひとり社長は「年会費が安い(または無料)」「会計ソフトと自動連携できる」「設立直後でも作りやすい」カードを選ぶのが基本です。

ポイント1:年会費

法人カードには、年会費無料のものから数万円のものまであります。空港ラウンジや旅行保険などの特典が必要でなければ、年会費無料〜数千円のカードで十分です。年会費は会社の経費(諸会費や支払手数料)にできます。

ポイント2:会計ソフトとの連携

カードの利用明細が会計ソフトに自動で取り込まれれば、仕訳の入力がほぼ不要になります。freee、マネーフォワード クラウド、弥生など、自分が使う会計ソフトに対応しているかを必ず確認しましょう。

ポイント3:審査の通りやすさ

法人カードには、大きく2つの審査タイプがあります。

  • 代表者の個人の信用で審査するタイプ:設立直後で決算書がない会社でも作りやすい。ひとり社長に向いている。
  • 会社の決算書で審査するタイプ:設立から数年経ち、黒字の決算書があると作りやすい。

設立したばかりなら、代表者の信用で審査するタイプを選ぶと、早く作れる可能性が高くなります。

このほか、利用額が大きい業種(広告費や仕入れが多いなど)は利用限度額も確認しておきましょう。

※年会費や還元率、審査の基準などは変わることがあるため、申し込む前に公式サイトで確認しておくと安心です。

法人カードで払ったときの仕訳

結論:カードで買った日に経費と「未払金」を計上し、引き落とし日に未払金を消すのが基本です。

5月10日に法人カードで事務用品5,500円を買い、6月27日に会社の口座から引き落とされた例です。

借方(科目) 金額 貸方(科目) 金額 ポイント・摘要
消耗品費 5,500 未払金(法人カード) 5,500 5/10 事務用品(法人カード払い)
未払金(法人カード) 5,500 普通預金 5,500 6/27 カード代金の引き落とし

ここでの未払金は、つまり「カード会社にまだ払っていない代金」のことです。会計ソフトにカードと口座の両方を連携しておけば、この2つの仕訳はほぼ自動で作られます。

やってはいけない法人カードの使い方

結論:法人カードで私用の買い物をすると、役員貸付金が生まれます。「法人カード=会社の財布」と割り切りましょう。

  • 私用の買い物に使う:会社のお金を社長が使ったことになり、役員貸付金になります(4日目の記事を参照)。間違えて使ったら、その月のうちに個人のお金で会社に戻しましょう。
  • ポイントを個人の買い物に使う:会社のカードで貯まったポイントは会社のものです。私用に使うと、社長への給料とみなされるおそれがあります。扱いは状況によって異なるため、気になる場合は顧問税理士に相談してみてください。
  • カードを何枚も作る:連携や照合の手間が増えます。ひとり社長は1枚、多くても2枚までに絞りましょう。

年商1,000万円なら年間でどれくらい違う?

結論:経費の支払いを法人カードに集約すると、年間で10時間以上の作業を減らせる計算になります。

年商1,000万円のひとり社長が、月20件の経費を個人カードで払っている場合と比べてみます。

作業 個人カード 法人カード(会計ソフト連携)
立替精算書の作成 月30分 不要
仕訳の入力・確認 月40分 月10分(確認のみ)
会社から社長への振込 月5分 不要
年間の合計 約15時間 約2時間

この約13時間を本業に回せるのは、ひとり社長にとって大きな価値です。

法人カードと会計ソフトを連携するなら

法人カードの効果を最大限に引き出すには、クラウド会計ソフトとの連携が欠かせません。利用明細が自動で取り込まれ、未払金の仕訳もほぼ自動で作られます。

代表的なサービスとして「マネーフォワード クラウド」と「freee会計」があります。無料で試せるプランが用意されていることも多いので、実際の画面を触って使いやすいほうを選ぶのがおすすめです。

マネーフォワード クラウド

会計・請求書・経費精算などのサービスをまとめて提供しており、複数の業務を一つのシリーズで管理したい方に向いています。

マネーフォワード【マネーフォワード クラウド】

freee会計

簿記の知識が少なくても使いやすい画面づくりが特徴で、経理初心者や個人事業主・小規模な会社に向いているクラウド会計ソフトです。

freee会計【freee会計】

※対応機能や料金プランは変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

まとめ

  • 法人カードがあると立替精算がなくなり、経理の手間が大きく減る
  • 選ぶポイントは「年会費」「会計ソフト連携」「審査の通りやすさ」の3つ
  • 設立直後なら、代表者の信用で審査するタイプのカードが作りやすい
  • 私用の買い物は役員貸付金になる。法人カードは会社の財布と割り切る
  • カードは1枚に集約し、会計ソフトと連携させる

今日からできる最初の一歩

個人カードの過去3か月の利用明細を開き、会社の経費の支払いがいくらあったかを合計してみましょう。その金額と件数から必要な利用限度額が分かり、自社に合った法人カードを選びやすくなります。

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。個別の取り扱いは顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。