iPhone Duoは経費にできる?40万円未満なら一括で経費にできる「少額減価償却資産の特例」を解説
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2026年10月23日に発売された、Apple初の折りたたみiPhone「iPhone Duo」。仕事用に購入を検討している個人事業主や会社の経理担当者の方は、「この価格のスマホを経費にできるの?」「一度に経費にできる?」と気になっているのではないでしょうか。
結論から言うと、iPhone Duoは事業で使うなら経費にできます。さらに、青色申告をしている中小企業者や個人事業主なら、「少額減価償却資産の特例」を使って、取得価額40万円未満のモデルは購入した年に全額を一括で経費にできます。この記事では、その仕組みと注意点をわかりやすく解説します。
iPhone Duoは経費にできる?
事業のために使うスマートフォンは、経費(法人なら損金)にできます。ただし、10万円以上のスマートフォンは「消耗品費」として一度に経費にするのではなく、原則として「減価償却資産」として数年に分けて経費にするルールになっています。
iPhone Duoは、Apple Storeの価格(SIMフリー版・税込)が次のとおりで、どのモデルも10万円を大きく超えています。
| ストレージ | 価格(税込) | 40万円未満の特例 |
|---|---|---|
| 256GB | 364,800円 | ◯ 対象 |
| 512GB | 399,800円 | ◯ 対象 |
| 1TB | 469,800円 | ✕ 対象外 |
| 2TB | 574,800円 | ✕ 対象外 |
※2026年10月時点のApple Store(SIMフリー版)の価格です。携帯キャリアで購入する場合は価格が異なります。
そこで活用したいのが、次に紹介する税制特例です。
40万円未満なら一括で経費にできる「少額減価償却資産の特例」
「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」は、取得価額が40万円未満の減価償却資産を、事業に使い始めた年(事業年度)に全額経費にできる制度です。
この特例はもともと「30万円未満」が基準でしたが、令和8年度税制改正で40万円未満に引き上げられ、2026年4月1日以後に取得した資産から適用されています。iPhone Duoは2026年10月発売なので、新しい40万円基準で判定できます。
特例を使える人の条件
- 青色申告をしている法人または個人事業主であること(白色申告では使えません)
- 中小企業者等であること(資本金1億円以下の法人などで、常時使用する従業員が400人以下)
特例のルール
- 1台(1組)あたりの取得価額が40万円未満であること
- 特例で経費にできるのは、1年間(1事業年度)の合計で300万円まで
- 適用期限は2029年(令和11年)3月31日までに取得した資産
- 法人は確定申告書に明細書を添付し、個人事業主は青色申告決算書の減価償却費の欄に記載する
iPhone Duoのモデル別の経費の扱い
256GB・512GBモデル:一括で経費にできる
256GB(364,800円)と512GB(399,800円)は、取得価額が40万円未満なので、特例を使えば購入した年に全額を経費にできます。
40万円未満かどうかは、会社の経理方式によって「税抜」か「税込」の金額で判定します。
- 税抜経理の場合:税抜価格で判定(512GBなら約363,454円)
- 税込経理の場合:税込価格で判定(512GBなら399,800円)
512GBモデルは税込でも40万円をわずかに下回るため、どちらの経理方式でも対象になります。ただし、キャリアで購入した場合や付随費用が加わる場合は40万円を超えることがあるので、実際の取得価額で必ず確認しましょう。
1TB・2TBモデル:通常の減価償却
1TB(469,800円)と2TB(574,800円)は40万円以上なので、この特例は使えません。法定耐用年数に応じて、数年に分けて減価償却していくことになります。スマートフォンの耐用年数は用途などによって判断が分かれることがあるため、迷う場合は税理士に確認するのがおすすめです。
経費にするときの注意点
1. プライベートでも使う場合は「家事按分」が必要
個人事業主が仕事とプライベートの両方でiPhone Duoを使う場合は、事業で使っている割合だけを経費にする「家事按分」が必要です。
たとえば、512GBモデル(399,800円・税込経理)を事業割合60%で使う場合、特例の判定は取得価額の399,800円で行い、経費にできるのは399,800円×60%=239,880円です。使用時間や通話履歴など、割合の根拠を説明できるようにしておきましょう。
2. 分割払いでも取得価額は「本体価格の総額」
キャリアの分割払いやローンで購入した場合でも、経費にできるのは毎月の支払額ではなく、本体価格の総額をもとに事業に使い始めた年に計上します。分割の利息や手数料は、本体とは別に経費として処理します。
3. 本体と付属品を分けて40万円未満にすることはできない
判定は「1台・1組」といった通常の取引単位で行います。本体の価格を分けて40万円未満に見せることはできません。
4. 償却資産税(固定資産税)の申告対象になる
少額減価償却資産の特例で経費にした資産は、償却資産税の申告対象になります。毎年1月1日時点で持っている資産を、1月31日までに市区町村へ申告する必要があります。資産の合計額が150万円未満なら課税はされませんが、申告は必要な場合があるので注意しましょう。
5. 年間300万円の上限を管理する
同じ年にパソコンや他のスマートフォンなども特例で経費にしている場合は、合計300万円の上限を超えていないか確認しましょう。上限を超えた分は、通常の減価償却で処理します。
仕訳の例
法人(税抜経理)が事業用にiPhone Duo 256GB(364,800円・税込)を購入し、特例を適用する場合の仕訳例です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 消耗品費(または減価償却費) | 331,637円 | 未払金(普通預金) | 364,800円 |
| 仮払消費税 | 33,163円 |
※勘定科目は会社の方針によって異なります。一度「工具器具備品」で資産計上し、同じ年に全額を減価償却費として処理する方法もあります。
減価償却・固定資産の管理をラクにするなら
少額減価償却資産の特例を使う場合、年間300万円の上限の管理や、明細書・青色申告決算書への記載、償却資産税の申告など、意外と手間がかかります。1TB・2TBモデルのように通常の減価償却をする場合も、毎年の償却費の計算が必要です。
クラウド会計ソフトを使えば、固定資産の登録から減価償却費の計算、決算書への反映までまとめて管理しやすくなります。代表的なサービスとして「マネーフォワード クラウド」と「freee会計」があります。無料で試せるプランが用意されていることも多いので、実際の画面を触って使いやすいほうを選ぶのがおすすめです。
マネーフォワード クラウド
会計・請求書・経費精算などのサービスをまとめて提供しており、複数の業務を一つのシリーズで管理したい方に向いています。
freee会計
簿記の知識が少なくても使いやすい画面づくりが特徴で、経理初心者や個人事業主・小規模な会社に向いているクラウド会計ソフトです。
※対応機能や料金プランは変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
まとめ
- iPhone Duoは、事業で使うなら経費にできる
- 青色申告の中小企業者・個人事業主なら、取得価額40万円未満のモデル(256GB・512GB)は購入した年に全額経費にできる
- 40万円基準は令和8年度税制改正で引き上げられ、2026年4月1日以後の取得分から適用。期限は2029年3月31日まで
- 1TB・2TBモデルは40万円以上なので、通常の減価償却
- プライベートと兼用なら家事按分、年間300万円の上限、償却資産税の申告に注意
高額なスマートフォンだからこそ、税制特例を上手に活用して賢く経費処理しましょう。実際の適用にあたっては、税理士や所轄の税務署に確認するのがおすすめです。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。製品価格はApple公式サイト、税制の詳細は国税庁・中小企業庁の資料をご確認ください。